そんなに急いでどこへ行く

面白い話ができたらと思っています。

静岡大学は、ただちに学生説明会を開催するべきだ

石井学長の「ゼロベース発言」から2か月が経とうとしている。

あれから静岡と浜松の両キャンパスで対話集会などが開催されたが、依然として状況が良くなっているとはいえないと考える。これは別に、賛成派にとってとか反対派にとってとか、そういう次元の話ではない。

結局、静岡大学当局がろくに説明ができていないからこそ学生や教員、地域社会が大混乱しているだけなのではないか。

ここ数日感じているモヤモヤを吐き出してみたい。

 

2019年3月に静大と浜医大の間で法人統合と再編についての合意が締結されるが、この直前に教員など一部の人が問題点を指摘しSNSなどを中心に拡散された。その後、県内メディアを中心に取り上げられることとなる。

この段階で、学生に対する”オープンな場での説明”というのは一切なかった。

そして4月、5月、6月…と過ぎてゆき、気づけば11月も終わりに近づいているが、未だに「静岡大学が主催した」「誰でも参加できるオープンな説明会」は実現していない。

 

「10月23日に、静岡キャンパスで対話集会が開催されたのではないか」と思われる方もいるだろう。だが、実は事実上は農学部の西川さんが運営したものだったのだ。浜松キャンパスでも同様の集会があり、あちらがどのような形態を取っていたかは詳しく存じ上げないのだけれど、少なくとも学生の申し出が無ければ大学や学長は動くことはなかっただろう。

 

学長は「”学生の側から”聞きたいという声があれば、集会や説明会等は開催することができる」というスタンスをとっている。*1つまり、聞きたいという声がなければ学生に対して説明する義務などはないという考え方なのである。

こういうときにだけ「学生の主体性」とやらに期待するのは、ハッキリ言ってズルいとしか言いようがない。

 

学長や大学の見解はこうだ。

「もし、春の段階で説明会を開いたところで学生は興味がないだろうし誰も来ないだろう。アリバイ作りだと言われるだけだ」*2

まず、”学生の関心”の限界を一方的に決めつけるのは、高等教育機関たる大学、そしてそのトップの考え方として如何なものなのか。誰も来ないという根拠はどこにもない。

そして何より、それが説明しなくて良いことの理由にはならない。

あと、アリバイ作りだと叩かれるのが怖くて開かなかったとか、一体何に怯えてるんだろうか。別にやましいことがなければ堂々と説明できますよね。

まさか、学生に関心を持たれたら都合が悪かったのだろうか。まさかね…笑

 

実際、大学や学長が説明をしなかったことによる弊害は今になって表れている。これまでも何度かシンポジウムだとか集会だとか、そういった類のものが開催されてはきているが、ことごとく議論が噛み合っていないように見受けられるのである。

それは、賛成とか反対とかの立場を問わず、である。

私自身、3月の段階では「まず大学が事実関係をきちんと説明してから議論すべきだ」という考えを持っていた。しかし、結局それがなされることなく勝手に事が動いており、仕方がないのでメディアなどを通じて得た情報をもとに批判を繰り返しているわけである。

な学長ブログが「情報」として機能しているかは疑わしい。結局、あれも大学の公式見解というより学長のお気持ち表明に近いからである。

 

大学当局の内部にも、頭のいい、分野別のプロがいることだろう。例えば「経営」とか「運営」に詳しくてセンスのある人とかね。何も、経営の専門家なわけでもない学長がすべて説明しなければならないというわけではない。

経営に詳しい人が出てきて、きちんと説明して学生や教職員、地域社会が納得できるようならこの再編統合はスムーズに進んでいたはずである。学長の「お気持ち」ではない、データに基づいた説明を、誰に対しても開かれた場で出来ていない時点で、混乱が起こるのは必然的だったのだ。

 

こんな状況で再編統合を進めても結局、混乱が続くだけだ。そして、仮に二つの大学に分かれたとしても、「喧嘩別れ」のような形で両大学の間に確執が残ることは避けられない。

賛成や反対を問わず、冷静に立ち止まって考えるべきだ。

 

先日、吹奏楽団が声明文を出した。悲痛な訴えである。

部活動やサークルが、学校全体のあり方を変えることは難しいかもしれない。だが、静岡大学の価値や文化を創造している主体、つまり学生に対しての「リスペクト」が一切ない状態で進められる再編が、どのような結果を生むのかは想像に難くない。

 

大学の経営に学生は関係ない、口出しするな?まあ、そうかもしれないね。

でもダメな経営をしたらダメな教育になるし、ダメな教育を受けた学生はダメな人間になる。

私が社会人になった何年後かに、「静岡大学の卒業生です」と名乗ってきたダメな人間を、私は後輩とは認めたくない。だから、時期的には直接影響を受けなくても、私は学生は経営にも文句を言えると思っている。

 

少しズレてしまった。

が、少なくとも、このままで納得はできないし、学生も納得してはいけないと思う。部活動やサークルの今後を左右するし、地域社会にも影響することだ。

学生に対して、学長や大学側は、「君たちの関心がなかっただけだ」とでも言わんばかりの態度だが、悪いのは関心を持たせなかったほうだ。

 

静岡大学は、ただちに学生に向けた説明会を開催するべきだ。

*1:10月23日の対話集会において、そのような旨の発言をしている

*2:これも静岡の対話集会で言っていましたね